アパホテルの蔵書問題
アパホテルが話題となっている。 客室に歴史問題についての書籍を置いていたところ、宿泊したアメリカ人女性と中国人男性のカップルがそれを見つけ中国版ツイッターである微博に投稿し、話題となったものだ。 問題の焦点はいくつかある。 アパホテル経営問題 近年、政府の観光立国方針に基づき訪日外国人が増加している。 この中には中国人も多く含まれているため、この問題でアパホテルの経営が苦境に陥るのではないかという指摘がなされている。 しかしこれに対して同ホテル経営陣は「元々特定国に依存しないようにしてきた。宿泊客に占める中国人のわりあいは%である」と述べており、経営への打撃は少ないと発表している。 アジア大会宿泊問題 上記問題が鎮火した後、マスコミ各紙が取り上げているのはこちらである。 2017冬季アジア大会が、2月19日~26日までの間、札幌で行われる。アジア大会なので当然アジア各国選手団が札幌に滞在し、宿泊する。 この時に、当該書籍を置いているアパホテルに宿泊することへの反対を表明したのが中国であるのは当然の成り行きで、マスコミ隠しはこれを大きく取り上げている。 ただしアジア大会の規定により、宿泊先に指定されたホテルには、一切の書籍等の撤去が指示されることもあって、元々アパホテル側も、指定を受けた際には大会組織委員会の指導に従って撤去することは公表済である。 これは大会組織委員会自体が「客室に何を置き、何を片付けるかはこちらで決められる。中国に限らず、各国の選手に不快感を与えるものは置かない。書籍については、実際に客室をチェックしてから判断する」と話しており、この書籍が問題化する以前からの既定事実である。 これを 中国側からの指摘により撤去した 歴史問題があるから別のホテル(プリンスホテル)を指定した などと報道しているのは明らかに偏っているとしか言いようがない。 その上滑稽な点は、この問題に全く関係のない韓国選手団がアパホテルへの宿泊を拒否していると発表している点だろう。 真の歴史問題 この書籍が話題になった歴史問題というのは、旧日本軍が中国の南京市で起こしたいわゆる「南京事件(南京大虐殺)」に対する評価についてである。 同書は元々、アパグループの元谷外志雄代表のエッセーを日本語でまとめたもので、タイトルは「誇れる祖国...