東京百(Youは何しに日本へ)

2017年3月7日火曜日

東京百(Youは何しに日本へ)

地元に住んでる人間からすればなんでもない日常のありふれた光景だが、映画や文学作品に描かれると別の世界のように感じる。

そんなことを思い起こさせてくれる。



2017年3月6日のテレビ東京系「Youは何しに日本へ」に、あるイタリア人が登場した。

普段はミラノコレクションなどファッション関係のプロ写真家として活動するジュゼッペさん。

遥かなる時を超え!YOUたちが一か八かの大勝負SP!!│Youは何しに日本へ?:テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/youhananishini/backnumber/170306.html


彼はある時、歌川広重の「名所江戸百景」を見て感動し、それにインスパイアされてあるプロジェクトを思い立つ。

それが「東京百」プロジェクトだという。
TOKYO HYAKU 東京百
http://tokyohyaku.com/

「東京百」は歌川広重による名所江戸百景を現代の表現ツールである写真を通して、彼の作品から160年後の東京を切り取ったものである。
彼が込めたメッセージ、彼が切り取りたかった江戸の風景、それらを現代の東京に置き換え新名所百景を作成するプロジェクトである。











日常の光景の中に隠れている意味や価値をいかにして見出すか。

これは普段の「Youは何しに」で描いてるテーマであり、この番組では訪日外国人の視点を借りてそれを見出してるといえる。


最近誤解されているが、この番組は決して「日本スゴイ」の番組ではない。いわば日本人が外国人から「日本を学ぶ」番組である。

日本人に限らず、たいていの人は自分が日常住んでいる世界や使っている道具にそれほどの価値を感じて生きているわけではない。それこそ日常であって、それを毎回感じるとすればそれは非日常である。

その埋もれている日常を再発見させてくれるのが、別世界の住人の視点である。



今回のジュゼッペさんの場合、さらに一歩踏み込んだ内容となっており、単に広重の世界を再体験したりタイムスリップするだけではなく、そこで描かれている意味を読み取り、その意味を現代に置き換えて写真に納めるという。

広重が描いた内容も、当時の日本人からすれば普段の何気ない光景に過ぎなかったはずである。

しかし大胆な構図と斬新な切り取り方で大評判となり、さらには海外へ渡って海の向こうのクリエイターにまで影響を与えたという点で国際的な評価も非常に高い。


ジュゼッペさんのプロジェクトは、119枚の内すでに104枚まで撮り終えており、完成後は日本で展示会を開く予定だという。

どういう評価を受けるのか楽しみである。


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