吉田沙保里選手の銀メダル

吉田沙保里選手の銀メダル

レスリングの吉田沙保里選手がリオ・デ・ジャネイロオリンピックで4連覇とならず、銀メダルに終わった。

多くの人がテレビに張り付き、ため息をついた早朝だったのではないかと思う。

そして、インタビュアーの優しい問いかけに辺りをはばからず号泣しながら謝りつづける吉田選手を見て、涙した人も多かっただろう。





この銀メダルを巡って、芸能人がテレビで発言して炎上したりしている。これも毎度のことで、よく飽きないことだと思う。



ただ誰がなんと言おうと、これまで「霊長類最強」とまで称された吉田選手の実績に、力づけられ勇気をもらった人は数多いのではないかと思う。

また今回メダルを獲得した日本の女子レスリング選手を初めとして、決勝戦で戦ったアメリカの選手さえ吉田選手を憧れとして頑張ってきたという。

つまり吉田選手は世界トップとして立ち続けたこの長い年月の間、後進にとってよき目標であり、またその競技に対する真摯な姿勢は、存在自体がよき指導者であったのではないかと思う。


それがこの一戦で失われるのかといえば、決してそんなことはない。


吉田選手がこれまで長年にわたって積み重ねてきた記録は、決して他の人間に真似のできるような生易しいものではなく、その努力を知っている人間だけが「残念だったね」といえるのだろうと思う。



聞くところによれば、吉田選手はこのリオを最後に退く覚悟であったという。

日本レスリング協会としては、今後東京オリンピックに向けて若手育成を行い、また次の五輪の選考においても若手選手を優先する方針であるとも聞く。


恐らく今後については、数日中に本人の口から語られるのだろうが、本当にリオ五輪お疲れ様でしたといいたい。

そして多くの夢と勇気を与えてくれてありがとう。

あなたの勇姿は決して色褪せるものではない。